中等部・フリースクールは出席扱いになる?条件や申請方法、実績のある学校を紹介
2026.06.30
フリースクールや中等部に通うと出席扱いになるの?」といった話を聞いたことはありませんか?
実は、文部科学省は一定の条件を満たした場合、フリースクールや中等部での活動を「出席扱い」とする制度を認めています。
この記事では、出席扱いの条件や手続きの流れ、利用するメリット・注意点、出席扱い実績のある中等部・フリースクールを紹介します。
目次
出席扱い制度とは
「出席扱い制度」とは、不登校の生徒がフリースクールに通った日数を、在籍している学校の「出席」として認めてもらう文部科学省の制度です。
出席扱い制度は、小・中学生の教育支援センターを対象に1992年にスタートしました。しかし、不登校生徒の増加にともない、2019年10月、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」において、対象を拡大しました。
その結果、現在では、中等部やフリースクールも出席扱いの対象となっています。
ただし、出席扱いを認めるかどうかは、在籍する学校の校長の判断によります。フリースクールや中等部を検討する際は、在籍校と積極的にコミュニケーションを取りましょう。
中等部・フリースクールが出席扱いになる条件
出席扱いを受けるには、在籍する学校・保護者・フリースクール・中等部の三者の連携が必須です。そのため、子どもの学習状況や通所状況を在籍校に定期的に報告しましょう。「学校には何も連絡せずにフリースクールに通っている」という状態では、出席扱いは認められません。
また、フリースクールや中等部への通所が単発ではなく、継続的なものであることも重要です。在籍校の担任や教育相談担当者との面談なども含め、お子さんが継続的な支援・指導のもとに置かれていなければいけません。
その上で、フリースクールや中等部での活動が学校の教育課程に準じた学習であることも条件の一つです。
なお、教育課程とは、各学校が文部科学省の学習指導要領に基づいて定める教育の計画です。教科の学習をはじめ、学習記録やレポートなどの形で学びの成果を記録し、提出できる体制が整っていると、出席扱いが認められやすくなります。
体験活動や生活リズムの改善など、教科学習以外の取り組みも評価されるケースがあるため、学習の記録は確実に残しておきましょう。
オンライン型でも出席扱いになる場合がある

文部科学省は2019年にICT(情報通信技術)を活用した自宅学習も、以下のような条件を満たす場合は出席扱いとして認められると明示しました。
- 在籍校との連携:オンライン施設と学校が情報共有し、学習状況を定期的に報告していること
- 学習状況の確認:リアルタイムの授業への参加記録や、課題・レポートの提出など、学習の実態を証明できること
- 継続的な支援:単発ではなく、計画的・継続的に学習が行われていること
不登校の生徒数は、12年連続で過去最多を更新し続けています。文部科学省の「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると、小中学校の不登校児童生徒数は2024年度で約35.4万人に達しました。そのうち、約1.3万人の児童生徒がICTを活用した自宅学習で出席扱いとなりました。
現在では、起立性調節障害や強い不安感などにより外出が困難なお子さんにとって、オンライン型の中等部やフリースクールは大きな選択肢となっています。
出席扱い制度を利用するメリット
出席扱い制度を利用して得られるメリットは主に以下の3点です。
- 内申点の向上が見込める
- お子さんの自己肯定感が保てる
- 学校復帰の可能性が広がる
一つずつ解説します。
内申点の向上が見込める
出席扱い制度が認められると、自宅での学習も出席日数としてカウントされるため、内申点がもらえます。また、学校の評価基準によっては、自宅学習の取り組みが成績に反映されるケースもあります。
内申点が向上すると、全日制高校への進学も選べるかもしれません。
ただし、通信制高校や一部の私立高校では出席日数をあまり重視しないケースもあります。希望する進路に合わせて柔軟に考えましょう。
お子さんの自己肯定感が保てる
不登校のお子さんの多くは「学校に行けていない」という罪悪感や不安を抱えています。
出席扱いが認められれば「自分も学び続けている」と感じられ、自己肯定感が保てるでしょう。
実際に中等部やフリースクールでの学習を通して、学習意欲を取り戻したお子さんも多くいます。
学校復帰の可能性が広がる
出席扱い制度は学校への復帰が円滑に進むように、文科省が制定した制度です。そのため、学校への復帰を希望する家庭にとっては大きな一歩となります。
また、学校以外の場所で同世代の友人やスタッフと関わることで社会性が育まれ、学校復帰へのきっかけになる可能性もあります。
ただし、不登校のお子さんにとって、学校への復帰が必ずしも正しい選択肢とは限りません。
出席扱い制度を利用する際の注意点
メリットが多い出席扱い制度ですが、利用にあたっていくつか知っておくべき注意点もあります。「思っていたのと違った」とならないよう、事前に確認しておきたいポイントをまとめました。
出席扱いと成績評価は別で判断される
出席扱いはあくまで出席日数に関する制度です。そのため、成績は別で判断されます。
例えば、ICT学習で出席扱いが認められたとしても、学校のテストや課題に十分に取り組めていない場合、成績に反映されにくい可能性があります。
しかし、2024年の制度改正により、学校外での学習活動でも、以下の条件を満たせば成績評価に反映できるようになりました。
- 学校の教育課程に沿った学習内容であること
- 学習の成果や理解度が客観的に確認できること
- 学校と連携し、継続的に学習状況が共有されていること
実際の評価方法などは、学校に事前に確認しましょう。
地域や学校によって対応が異なることがある
出席扱いの運用は、都道府県や市区町村、さらには個々の学校によって差があります。そのため、同じフリースクールに通っていても、在籍する中学校によっては認められないケースがあります。これは、学校長が最終的な判断を行うためです。
出席扱い制度は、申請すれば必ず認められる制度ではありません。中学校との協議の中で判断されるため、早めに相談して認識をすり合わせましょう。中学校側が出席扱い制度の内容を十分に理解していない場合は、文部科学省の通知をもとに丁寧に説明してください。
お子さんがプレッシャーを感じてしまう可能性がある
出席扱いが認められるためには、継続的な学習が必要です。そのため、学習を続けなければいけないというプレッシャーから、お子さんが思うように休養ができなくなるかもしれません。
出席扱いを申請したいのは、保護者の希望なのか、お子さんの希望なのかをしっかり考えてから判断しましょう。
出席扱いを受けるための手続きと流れ
ここでは、出席扱いを受けるまでの手続きを解説します。最初に何をすべきか、誰に相談すればよいかを確認しながら、一つひとつ進めていきましょう。
STEP1 在籍中学校へ相談する
まず、お子さんが在籍している学校の担任やスクールカウンセラーなどに相談しましょう。「フリースクールや中等部の利用を検討している」「出席扱いになる可能性があるか確認したい」という旨を伝えます。
この段階で、学校側の考えや必要な書類・手続きについて確認しておくとスムーズです。
STEP2 利用する中等部・フリースクールを決める
出席扱いの実績がある施設を中心に、お子さんの状況や希望に合ったフリースクール・中等部を探しましょう。見学や体験入学を活用し、実際の雰囲気やスタッフの対応を確認することが大切です。
なお、この後で出席扱い実績のある中等部・フリースクールを紹介します。
STEP3 学習計画や活動内容を共有する
利用する施設が決まったら、学習計画や活動内容を在籍校と共有します。
施設側が作成した学習計画書や活動報告書などの資料を学校へ提出するのが一般的です。施設によっては、スタッフがこの手続きをサポートしてくれる場合もあります。
STEP4 学校・施設・保護者で連携を続ける
通所が始まったあとも、定期的な情報共有を続けることが大切です。活動報告書の提出や担任との面談、三者(学校・施設・保護者)での話し合いなど、継続的な連携を維持しましょう。
STEP5 校長が出席扱いを判断する
提出された報告書や連携の実績をもとに、在籍中学校の校長が出席扱いを判断します。学期末や年度ごとに判断が行われることが多いため、途中で状況が変わった場合は早めに学校へ連絡しましょう。
出席扱い実績のある主な中等部・フリースクール

出席扱い制度をスムーズに利用するためには、実績のある施設を選ばなければいけません。ここでは、全国的に実績が知られている中等部・フリースクールを4校紹介します。それぞれの特徴を比較しながら、お子さんに合った施設を探してください。
なお、施設の情報や出席扱いの実績は変更される場合があります。最新の情報は必ず各校へ直接ご確認ください。
N中等部(角川ドワンゴ学園)
N中等部は、通信制高校「N高等学校・S高等学校・R高等学校」を運営する角川ドワンゴ学園が設立した中学生向けの教育施設です。社会で求められる総合力を身に付けるための実践型学習を行っており、2026年3月末時点で1,686名の生徒がN中等部で学んでいます。
N中等部では、お子さんの状況や希望に合わせて、以下の2つのコースから学習スタイルを選択できます。
- ネットコース:自宅にいながらインターネットを活用して自分のペースで学ぶ
- 通学コース:全国にあるいずれかのキャンパスに通学し、実践的な学習を行う
また、N高グループの多様な学びのコンテンツが活用できます。起業部やeスポーツ部などのネット部活や課外活動、学園イベントなどはN高グループ生と一緒に参加できます。
第一学院中等部
第一学院高等学校が運営する中学生向けサポートコースです。全国各地にキャンパスがあり、通いやすい環境が整っています。
また「すらら」「デジタル自分未来史ファイル」など、ICTで学習や活動の記録が残るプログラムによって、お子さんの取り組みの実績を可視化して報告しています。そのため、出席扱い制度の実績も豊富です。
登校機会は月1~4回程度と、負担に感じにくい範囲で友人や先生との交流も楽しめます。
飛鳥未来中等部
飛鳥未来きずな高等学校などを運営するグループが展開する中等部です。初等部もあり、小学4年生から中学3年生を対象としています。
通常の学習支援だけでなく、放課後学習支援も行っています。放課後学習支援とは、学力アップを目指す小・中学生を対象に週2日間放課後に行っている学習支援です。
また、飛鳥未来中等部では、現在の生活状況や学習目的に合わせて、4つのコースから通い方を選択できます。
- スタンダードコース:週5日の登校で学習も安心
- 2DAYコース:ゆっくり慣れていきたいお子さんにおすすめ
- 3DAYコース:生活リズムが安定し、スタンダードコースへのステップアップも可能
- ネットコース:慣れてきたら教室で実際の授業を受けることも可能
なお、全てのコースにおいて教員の個別サポートが受けられ、イベントや行事にも参加できます。
ベネッセ高等学院 中等部
教育業界の大手であるベネッセが運営する中等部で、充実した学習サポートと進路指導が特徴です。2025年10月に開校した新しい中等部であるものの、出席扱い対応の実績もあります。
ベネッセ高等学院 中等部では、お子さんの生活状況に合わせて時間割を作成しています。また、バーチャルキャンパスを活用すれば、学年の垣根を越えた交流が可能です。バーチャルキャンパスでは、各種イベントも行っています。
進研ゼミのノウハウを生かした、クラス担任と赤ペンメンターの「W先生サポート」も好評です。
まとめ
この記事では、中等部・フリースクールの出席扱いについて解説しました。
中等部やフリースクールへの通所は、文部科学省の通知に基づき、一定の条件のもとで学校外の活動を出席として認められる可能性があります。ICT活用による自宅学習も、条件を満たせば出席扱いの対象となります。
ただし、出席扱いの可否は校長が判断するものであるため、施設の実績だけでなく、在籍中学校との丁寧な連携が不可欠です。
不登校の状態にあるお子さんにとって、学校に戻ることよりも、安心して学べる場所があることが大切です。出席扱い制度を上手に活用しながら、お子さんの自分らしい一歩を支えていきましょう。
