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フリースクール生は高校進学できる?進学先や受験のポイントを解説

2026.06.03

フリースクール生は高校進学できる?進学先や受験のポイントを解説

最近では、ドラマの影響で、以前よりもフリースクールを身近に感じられるようになりました。

しかし「フリースクールに通っていると高校進学で不利になるのでは?」という不安を感じているお子さんや保護者の方もいるでしょう。

実際は、フリースクールに通う生徒の多くが高校進学を実現しています。むしろ、フリースクールという選択肢が、お子さんの進路を広げるきっかけになるかもしれません。

この記事では、フリースクール生の進路について、高校受験への影響や進学できる高校の種類、進学を見据えたフリースクールの選び方などを解説します。

フリースクール生でも高校進学は可能!

「不登校になってしまったら進学できない」という認識は、大きな誤解です。実際には、不登校を経験した多くの中学生が高校進学を果たしています。

文部科学省の調査によると、不登校の生徒数は12年連続で増加しています。さらに、2024年度の小・中学校における不登校の生徒数は約35.4万人と報告されました。

しかし、不登校を経験した多くの生徒が高校進学を叶えています。フリースクールをきっかけに学習意欲が回復し、積極的に高校進学を目指すようになるお子さんも多くいます。

高校受験において重視されるのは、現在のお子さんの状況と学習への意欲です。近年では、不登校経験者の受け入れに積極的な高校も増えており、受験生の個別の状況を丁寧に見ています。

また、通信制高校ではもとより、学校の出席日数よりも本人の考え方や将来への見通しを重視する傾向があります。最近は、面接や志望理由書を入学試験として課す学校も増えてきました。

フリースクールから進学しやすい高校の種類

ここでは、フリースクールに通学しているお子さんの進学先に適した高校の種類と、それぞれの利点について詳しく解説します。

フリースクール生が高校進学を目指す際、どのような高校が進学しやすいのか、また各高校形態にはどのような特徴があるのかを正しく理解しておきましょう。

通信制高校|最も選ばれやすい進路

通信制高校は、フリースクール生が最も選びやすい高校形態です。その理由は、学びのペースが自由である点にあります。

通信制高校では、主に自宅での学習を中心として単位を取得する高校です。朝決まった時間に学校に行く必要がないため、生活リズムが不規則になってしまったお子さんにとって、心理的な抵抗が少なくなります。

また、通信制高校には、進学時の学力ではなく、学習意欲や将来への希望を重視している学校が多いため、フリースクール生でも無理なく進学できます。

さらに、大学進学サポートなど、高校入学後の学習支援が充実している学校も増えており、安心して学び続けられるでしょう。

定時制高校|少人数で学びやすい環境

定時制高校は、昼間部または夜間部に分かれて授業を行う高校です。

通常の全日制高校では数十人規模のクラスになるケースが多くあります。一方、定時制高校では1クラス15〜20人程度の少人数体制が一般的です。そのため、教員の目が行き届きやすく、個別の相談や学習支援も受けやすくなります。

また、昼間部と夜間部のどちらかを選べる学校もあるため、お子さんの生活リズムや学習スタイルに合わせた選択ができます。

たとえば、朝起きるのが苦手なお子さんであれば夜間部を選択し、段階的に生活リズムを整えていくといったアプローチも可能です。

なお、近年では、三部制を設けている定時制高校も増えています。三部制とは、午前・午後・夜間から選択するパターンです。

定時制高校では、1日4時間程度の授業を行うため、卒業には4年を要します。しかし、三部制を選択することで3年間での卒業も可能です。

全日制高校|受験可能な学校は想像以上に多い

フリースクール生でも、全日制高校への進学は可能です。

フリースクール生からの人気が高い進学先のひとつに「エンカレッジスクール」があります。エンカレッジスクールとは、東京都の取り組みとして始まった全日制高校です。従来の教育方法が合わなかった生徒のやる気を応援し、基礎の学び直しから支援しています。

1クラスに2人の担任を配置し、少人数制で生徒それぞれのレベルに合わせた指導をしています。

また、一年次では、30分授業を取り入れており、集中力を維持できる時間割が組まれている点も大きな特徴です。

なお、エンカレッジスクールでは、学力試験は実施されません。面接や作文などを総合して選抜を行います。そのため、フリースクール生でも入学しやすい学校です。

ただし、エンカレッジスクールは、全日制であるため、一般の全日制高校と同じ時間帯での登校が必要です。

全日制高校への進学を目指す場合「全日制高校で学びたい」という本人の明確な意思と毎日の登校に耐え得る体力、そして、その意思を面接や作文でしっかり伝えられるかが重要です。

フリースクール通学を通じて自分の学習ニーズや興味関心を見つめ直し、その上で目指したい高校を選べば、進学の可能性は大きく広がります。

フリースクール生が高校受験するときに気になるポイント

フリースクール生か出願校を決める際、出席日数や内申点への影響など、不安に感じるかもしれません。

ここでは、フリースクール生のお子さんと保護者が知っておくべき、高校受験に関する重要な情報と、それぞれへの対策を解説します。

出席日数が少なくても受験できるか

フリースクール生や、保護者の方が最も心配されるのが「出席日数が少ないと高校受験ができないのでは?」という懸念です。

実際、多くの高校において受験自体は可能です。ただし、学校によって基準が異なるため、志望校決定前に必ず確認しておきましょう。

例えば、全日制高校では「中学3年間での欠席日数が〇日以内である」といった基準を設けている学校もあります。

出席日数の基準については、早期に志望校に直接問い合わせましょう。

なお、文部科学省では、フリースクールへの通学において「出席扱い制度」を定めています。

出席扱い制度とは、以下の条件を満たせば、フリースクールへの通学を中学校への出席と見なす制度です。(文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」より抜粋)

  1. 保護者と学校の間に十分な連携・協力関係が保たれていること
  2. 当該施設は教育委員会等が設置する公的機関であること。ただし、公的機関の通学が困難で保護者と本人の希望がある場合、校長に適切と判断されれば民間の相談・指導施設も考慮される。
  3. 当該施設に通所または入所して相談・指導を受ける場合を前提とすること。
  4. 学校外の施設で行われた学習内容が、在籍校の教育課程に適切と判断された場合。

出席扱いが認められると、進学先の選択肢が大きく広がります。フリースクールへの通学を検討する際には、出席扱い制度の事例の有無を確認しておきましょう。あわせて、中学校への報告も必ず行ってください。

高校受験において重視される点

フリースクール生が高校受験する場合、学力試験よりも面接が重視される傾向があります。以下の点において、確実に回答できるようにしましょう。

  • フリースクールで学んだこと
  • 高校でどのような学習をしたいのか
  • 志望理由

特に、志望理由は、学力試験では測れない本人の思考や価値観を示す重要な材料です。また、高校入学後の学習意欲や目標を表現できれば、入試での評価につながります。

フリースクールに通いながら高校進学を目指す4つのメリット

フリースクールに通うと、生活リズムの改善や学習のサポートを受けながら、受験に向けた心の準備と進路選びが同時にできます。

ここでは、高校進学を目指すお子さんがフリースクールに通学するメリットを4つ解説します。

ぜひ、不登校を経験したお子さんが外への接点を求めたら、フリースクールへの通学を検討してください。

学校以外の居場所ができる

お子さんが不登校を経験すると、社会から孤立するのではないかと不安になる保護者の方も多いでしょう。フリースクールへの通学は、孤立を防ぐ最初の一歩です。

フリースクールに通うと、お子さんは同じような経験をした同年代の生徒と出会います。学校では経験しなかった居心地の良さを感じることが、心理的な安定に大きくつながります。さらに、新たな人間関係を通じて「学校(高校)に行ってみようかな」という前向きな気持ちが自然に育まれるケースも少なくありません。

フリースクールという選択は、進学のための過程だけではなく、本人の自己肯定感の回復に役立ちます。

だたし、お子さんが外出を強く拒否しているときは、その気持ちを尊重してあげましょう。

「また行かなきゃいけない場所が増えた」と感じてしまうと、お子さんのエネルギーをさらに消耗させてしまいます。

少しずつ生活リズムを整えやすい

不登校が長く続くと、生活リズムが大きく乱れてしまうお子さんも多くいます。昼夜逆転してしまったり、朝起きることが苦しくなったりするケースは珍しくありません。

フリースクールへの通学を通じて、お子さんは段階的に生活リズムを整える機会を得られます。

フリースクールは、最初は週1日の通学から始め、慣れてきたら週3日、週5日へ増やしていくといったペースの調整が可能です。また、フリースクールは学校よりも通学時間が自由な場合が多いため、お子さんが現実的に通学できる時間帯で学習できます。

この段階的な調整が、高校入学時の生活リズムへのスムーズな移行につながり、進学後の学習も安定します。

学習サポートが受けられる

フリースクールは、居場所の提供だけではなく、学習のサポートも行っています。

不登校期間に学習が遅れてしまったお子さんにとって、個別や少人数での学習指導は高校進学に向けた大きなメリットです。

また、フリースクールでは、不登校の生徒への対応を専門とするスタッフが、進路の相談や面接練習などを個別で丁寧に行ってくれます。その結果、通信制高校や定時制高校など、多様な進路の情報を得やすく自分に合った高校を見つけやすくなります。

自信を回復しやすい

フリースクールでは、小さな成功体験を通して、お子さんの自己肯定感を徐々に高めていきます。実際に、学習の遅れに対するコンプレックスを抱えていたお子さんが、フリースクールで学び直しを行い、自信を取り戻すケースは珍しくありません。

この自信の回復が、高校進学という新しいチャレンジへの心理的な準備になります。

また、フリースクール内で「受験を頑張ろう」という雰囲気が形成されると、精神的な安定にもつながります。

高校進学を見据えたフリースクールの選び方

どのフリースクールを選ぶかという判断は、その後の高校進学を大きく左右します。口コミでの評価や施設が充実しているなどといった表面的な理由だけでなく、高校進学という将来を見据えた戦略的な選択が必要です。

ここでは、フリースクール選びの際に確認すべき重要なポイントを解説します。

高校進学サポートがあるか確認する

高校進学に向けた具体的なサポートの有無はフリースクール選びで最も重要なポイントです。

施設によって、進路相談の手厚さや、受験対策の充実度は大きく異なります。見学時には、以下の点を確認しましょう。

  • 進路相談に対応できるスタッフがいるか
  • 受験対策はどの程度提供されるか
  • 面接練習などの具体的なサポートがあるか

これらの情報は、ホームページやパンフレットに書かれている場合もあります。ただし、詳細は直接問い合わせるか、合同相談会で確認をしましょう。特に、高校進学の実績は、その施設の進学支援の質を判断する上で必要な情報です。

また、通信制高校やサポート校が運営するフリースクールであれば、高校進学後も環境を変えずに学習が継続できます。

お子さんが安心して通えるかを確認する

充実した進学サポートがあっても、お子さんが「通いたくない」と感じてしまっては、意味がありません。フリースクールを選ぶ際には、以下の観点からお子さんにとって通いやすい環境かどうかを重視しましょう。

  • 通学頻度:週何日の通学が必要か、お子さんに合わせて選べるか
  • 人数規模:少人数制かどうか
  • 雰囲気:スタッフや他の通学生の様子がお子さんに合っているか

また、検討する際は、必ずお子さんと一緒に見学に行ってください。その施設で安心して通えれば、継続的な通学につながり、高校進学への道もスムーズになります。

見学や体験で本人の反応を見る

多くのフリースクールでは、入学前に見学や体験ができます。WebサイトやSNSの情報だけで判断せず、必ず親子で見学や体験入学に参加してください。

学習面のサポートやカリキュラムの充実度よりも、お子さんが「また行きたい」と感じるかを確認しましょう。

また、急いで決定してはいけません。必ず複数の施設を比較し、お子さんのペースに合わせて体験を重ねてください。

出席扱い制度への対応を確認する

通学を希望するフリースクールが出席扱い制度に対応しているかは必ず確認しておきましょう。出席扱い制度の適用は、お子さんの進学先の選択肢を大きく広げます。

ただし、フリースクールへの通学が出席扱いとなるかは、在籍中学校の校長が判断します。そのため、フリースクールへの通学を決める際には、中学校にも報告をしてください。

なお、在籍中学校が親身に対応してくれない場合は、フリースクール側から在籍中学校へ連絡してくれるケースもあります。

中学時代の不登校だけで将来は決まらない

お子さんが不登校を経験すると、保護者の方は「このままでは子どもの将来はどうなるのか」という不安を感じるでしょう。

しかし、中学時代の不登校だけで、お子さんの将来が決まるわけではありません。

実際、不登校経験者の中には、高校に進学してから学習意欲が高まり、大学や専門学校へ進学する人も多くいます。

中学時代だけなく、お子さんが今後どのような環境で学び、どのように成長していくかという長期的な視点を持つことが大切です。

まとめ|フリースクールに通っても高校進学は目指せる

この記事では、フリースクール生の進路について、高校受験への影響や進学できる高校の種類、進学を見据えたフリースクールの選び方などを解説しました。

現在の高校入試制度は出席日数や内申書だけでなく、受験生の学習意欲や将来への希望を重視する傾向が強まっています。エンカレッジスクールなどの全日制高校への進学も可能です。

また、通信制高校や定時制高校、サポート校など、お子さんに合った環境を選択できます。

高校進学を目指す上で、何よりも大切なのは、お子さんが「ここなら通い続けたい」と感じられる学校を見つけることです。お子さんのペースに合わせ、心の回復を優先しながら、じっくりと進路を考えてあげてください。