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不登校であることを成長のきっかけに
クラーク国際中等部

2026.03.17

不登校であることを成長のきっかけに<br>クラーク国際中等部

(取材 ニュースクJr.編集部)

中学校へ通うことが難しくなり、将来に不安を感じることはありませんか。
同級生との違いに戸惑ったり、進路について悩んだりすることもあるかもしれません。

また、今の状況を少しでも変えたいと感じている方もいるのではないでしょうか。

安心して過ごせる環境に出会うことで、少しずつ前向きな変化が生まれることがあります。 小さな一歩や成功体験の積み重ねが、自分自身を見つめ直すきっかけになることもあります。

フリースクールで自分が変わる

  1. 多くの人を前に堂々とプレゼンテーションができたAさん。
  2. 韓国語を勉強して検定試験に合格できたBさん。
  3. オーストラリアに3週間、ホームステイできたCさん。

いずれも不登校の中学生が自分で達成したことがらです。

自信を無くしたり、目標を見失ったりして、暗い日々を過ごしたことのある彼らが大きく変わるきっかけになったのは、フリースクールでした。

プレゼンのコンテストに出場

最初に挙げた生徒のAさんは、起立性調節障害に悩んだ生徒だそうです。朝の起床後から午前中にかけて体調が悪くなる起立性調節障害は、中高生に比較的多く見られる症状です。これが原因で中学校への登校が難しくなり、ひいては長期の不登校に至るケースもよく聞きます。

「クラーク国際中等部には、体調に配慮しながら通える環境が整っています。遅刻や早退という概念がなく、体調に応じて登校時間を調整することが可能です。途中から登校したり、早めに帰宅したりすることができます」と宮川先生。最初はオンラインでの自宅学習を多めにして、体調が安定するにつれて通学日数を増やしていくことも可能だといいます。

中学3年になってクラーク国際中等部に安心できる環境を見つけたAさんは、じきにキャンパスへ毎日通うようになりました。積極性も高まったAさんは、自分の興味関心を面白く伝える、中等部の〈プレゼンテーショングランプリ〉に出場します。

生徒が自分の関心あるテーマを発表するプレゼンテーションコンテストも実施

楽しめるイベントいろいろ

全国のキャンパスをオンラインでつないだプレゼン大会でAさんは参加者8名のトップに立ちました。さらにはクラーク記念国際高校の〈CLARK AWARDS〉への出場権を得て、高校生にまじってプレゼンをするまでになりました。

クラーク記念国際高校のプレゼン大会〈CLARK AWARDS〉の様子

「こうした大会以外でも、クラーク国際中等部では全国のキャンパスとつながったり、高校生と何かに取り組んだりする機会はいろいろあります。それもオンラインだけでなく、宿泊行事など実地で一緒に過ごすイベントも多いです。スキーをしたり、星空鑑賞をしたりなど、それぞれの地域の特色を生かした催しを楽しんでいます」(宮川先生)

人づきあいが苦手な生徒でも、仲間と打ちとけて、楽しみをともにすることから始めて、無理なくコミュニケーションの力を育てていくことができそうです。

成功体験を積み重ねる

コミュニケーションといえば、2人目の生徒のBさんのように、外国語でのコミュニケーション力を磨く生徒もいるようです。中学2年からクラーク国際中等部で学ぶBさんは、教育連携をしているクラーク記念国際高等学校の授業にあった韓国語に興味を持ち、自身でも習得の勉強を重ねて韓国語能力検定(TOPIK)の1級に合格。大人も参加する韓国語プレゼンテーションのコンテストで上位入賞を果たすほど語学力をつけました。

「このように教科学習にとらわれず、好きなこと、得意なことを軸に学ぶ力を伸ばせるのもフリースクールの強みです」と宮川先生。そしてBさんほどでなくても、まずは「成功体験」を持つことが大切だと話します。

「キャンパスに通えるようになった。友だちができた。やさしい問題だけれど自力で解けた。――どんな小さなことでもよいのです。その積み重ねから生徒は変わっていきます」

勉強の遅れを取り戻す

もちろん、クラーク国際中等部では、不登校のために遅れてしまった、あるいはもともと学力不足だった教科を集団授業やICT教材を活用して勉強を進めることもできます。時間割に沿った授業(対面やリアルタイム配信)もあるのですが、中学校にくらべたら柔軟で、自分に適したペースで学習を進められます。学力レベルに合わせて動画教材を選べるので、前の学年(場合によっては小学校レベルから)の学び直しができ、高校受験の基礎を学ぶことも可能です。

教員や大学生チューターのサポートがあって安心

教科の学習は、しっかりと取り組めば、着実に実力がつくので、生徒が成果を実感しやすいものです。「だからこそ教員のサポートが重要」と宮川先生は言います。

「また、時間割のなかには〈自律学習〉があり、生徒が学習内容の理解に困ったりすれば、教員や大学生チューターにすぐに頼れるようにしています。まだ学習習慣が身についていない生徒でも不安なく過ごせます」

学習面や生活面で手厚い指導

「この手厚さは、どのフリースクールも備えているべき」と話すのは、クラーク国際中等部の中村成希先生(中等部副校長)です。

「困難を抱えた生徒とその保護者の期待に応えるには、なによりも教員に高い対応力があることが必須です。中等部では、すべての教員が、公益財団法人こども教育支援財団の認定する〈学習心理支援カウンセラー〉資格を取得しています」

指導の質を高めるため、教員向けの研修も定期的に実施

通学型でもオンライン型でも、生徒のペースに応じて学習や生活を支援する個別コーチングを重視しているという中村先生。「生徒にはフリースクールという場で安心して過ごしてほしいと同時に、中学卒業後の展望を描く準備もしてほしい。その助力をするために、私たちは年間60~70時間の研修で教員の技量の向上に努めています」

成長を後押しする海外体験

クラーク国際中等部で大きく変わった生徒さん、3人目はオーストラリアでホームステイをしたCさんです。国際交流の長い実績があるクラーク国際高校の特長を中等部でも生かした〈短期留学プログラム〉に参加しました。

短期留学プログラムに参加した生徒たち

キャンパスではずっとマスクをつけたままで、内気な印象のあったCさんが、親元を離れて3週間も現地のホストファミリーと暮らすとは――宮川先生にとっては、うれしい驚きでした。Cさんはそれほど英語に興味があったわけでもなく、動機をたずねると、答えは「楽しそうだから」とだけ。背中を押す雰囲気が中等部にあったのかもしれません。

「提携校の生徒と楽しく交流したり、ヘビやコアラに触れたりする映像をCさんがオンラインでこちらのキャンパスに送ってくれました。中等部の他の生徒は興味深く見入っていました。フリースクールに通わず、ふつうに中学校生活を送っていたら、おそらく、できなかった体験でしょうね」(宮川先生)

これまでに短期留学プログラムに参加したクラーク国際中等部の生徒の感想は、こちらで読むことができます。

不登校にとらわれずに次へ

フリースクールで前向きな変化を見せた生徒たち――本記事ではその一端を紹介しましたが、実際の変化のかたちは一人ひとり異なります。

表情が明るくなり、家でイライラしなくなった。
親との会話を避けなくなった。
友だちや先生のことを話すようになった。
30分でも机に向かうようになった。
自分から進路の話をするようになった。

フリースクールに通って、たとえば、上のうちのひとつでも当てはまるようになれば、不登校に悩んだ自分からの「劇的な変化」と言ってもよいと思います。

「不登校を経験した生徒は、どうしても自分に対して負の感情を抱いたり、周囲に対して引け目を感じたりしがちです」と中村先生。

「しかし、それにとらわれずに次のステップに進んでほしい。そのための環境を用意しているのが、クラーク国際中等部です」

フリースクールを知れば、不登校であることが、これまでとは違う自分を見つける貴重なチャンスにもなります。

(所属・肩書などは取材時のものです。)