フリースクール・中等部の費用に助成金は使える?自治体別の最新情報まとめ
2026.03.31
お子さんのフリースクール・中等部の利用を検討する際には、毎月の費用が気になるもの。
フリースクールの費用には、助成金を使える場合があります。ただし、助成金制度があるかは、お住まいの自治体によって異なります。
この記事では、都道府県や政令指定都市における助成金の最新情報をまとめました。ご自身の地域の状況をチェックしてみてください。
なお、この記事で紹介する情報は2026年3月時点のものです。
制度の内容や金額は随時変更される可能性があるため、最新情報は必ず各自治体の公式サイトや担当窓口でご確認ください。
目次
フリースクールとは
文部科学省は、フリースクールを「学習活動や教育相談、体験活動などを行う民間施設」と位置付けています。民間施設であるため、スクールごとに特色ある教育スタイルを提供しています。
多くのフリースクールは、義務教育期間である小中学生が主な対象です。しかし、近年では、高校生を受け入れているフリースクールもあります。
フリースクールは、法律に基づく学校教育法に定められた正規の学校ではないため、義務教育の代替にはなりません。
文部科学省では、不登校の子どもがフリースクールに通う場合に「出席扱い制度」を定めています。「出席扱い制度」とは、中学校に登校しなくても出席扱いとして認められる制度です。
出席扱いが認められれば、調査書に出席日数が記録されるため、お子さんの進路の選択肢も広がります。
フリースクールの費用相場
フリースクールは民間施設です。そのため、基本的には利用料が発生します。
フリースクールの費用は、スクールの形態や提供しているサービスによって大きく異なります。
2015年に文部科学省が実施した「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」によると、一般的に、フリースクールの入会金は5万3,000円ほどと報告されています。また、月額の授業料は3万3,000円ほどです。
オンライン型フリースクールは、通学型よりもリーズナブルに設定されており、月1万円〜5万円程度が相場です。
通学型のフリースクールでは、授業料に加えて、交通費や教材費、行事参加費などが発生する場合があります。

フリースクールの助成金とは
助成金とは、国や自治体が特定の目的のために支出する補助的なお金です。返済不要という点が、教育ローンなどの融資とは根本的に異なります。
フリースクールの費用に関する助成金に関して、2026年3月現在、国が一律に設けた制度はありません。あくまで都道府県や市区町村が独自に設けた制度であるため、お住まいの地域によって助成金の有無や条件が大きく変わります。
多くの自治体に共通する受給条件としては、以下のようなものがあります。
- お子さんが義務教育段階(小・中学生)であること
- 助成金を受けようとする自治体に住民票があること
- 在籍する学校への登校が困難な不登校状態であること
- 在籍校の校長や担任から確認書・支援対象証明書を取得していること
- 利用するフリースクールが自治体の定める要件を満たす施設であること
都道府県・政令市別 助成金・補助金の最新情報
東京都|月額最大2万円+区の上乗せ制度あり
東京都は2024年度から「フリースクール等利用者支援事業(助成金)」をスタートさせており、2026年度も継続して実施されます。
制度の概要は以下の通りです。
| 対象 | 都内在住の不登校の小・中学生の保護者 |
| 助成額 | 月額最大2万円 ※費用が2万円未満の場合は費用と同額 |
| 対象となる施設 | 不登校支援を主たる目的とした通学型フリースクール ※夜間施設は対象外 |
| 注意点 | 入会金・施設維持費・教材費などは助成の対象外 |
申請はオンラインか郵送で行います。利用実績を都に報告した後に助成金が支給される仕組みです。
なお、東京都の制度に加えて、特定の区が独自に追加で行う助成制度もあります。2026年3月時点で確認できているものは以下の通りです。
- 荒川区・品川区・足立区 :月額最大2万円
- 北区・葛飾区:月額最大1万円
- 港区:費用の2分の1から都の助成額を差し引いた額
例えば、品川区在住で月3万円のフリースクールに通うお子さんの保護者の場合、都の助成金2万円+品川区の助成金2万円=最大4万円の助成金を受けられる可能性があります。ただし、フリースクール費用の全額を超えて支給されるわけではありません。
なお、この他の区にも独自の制度があるケースもあります。区の教育委員会や子育て支援窓口に問い合わせてみましょう。
大阪府・大阪市|「塾代助成事業」が活用できるケースあり
大阪府全体としてのフリースクール専用の直接助成制度は、現時点では整備途上の段階です。ただし、大阪市の「習い事・塾代助成事業」と呼ばれる制度が、フリースクールにも活用できるケースがあります。
| 対象 | 大阪市内在住の小学5年生〜中学3年生 |
| 助成額 | 学習塾や習い事などの費用を月額1万円が上限 |
| その他 | 対象となる事業者(フリースクール)が大阪市に登録していることが必要 |
「塾代助成事業」は、フリースクール専用の制度ではなく、学習塾・家庭教師・文化教室なども対象に含まれる制度です。利用しているフリースクールがこの事業に登録しているか確認してください。
また、富田林市では、出席認定対象となっているフリースクールに通う就学援助認定者を対象とした就学援助制度があります。詳細は富田林市の教育委員会へ問い合わせてください。
なお、「就学援助」とは、経済的に困難な状況にある家庭のお子さんの学校生活を支援するために、給食費や学用品費などを援助する制度です。毎年申請が必要で、学校か市役所の教育委員会へ申請書などの提出が必要です。
神奈川県|県が市町村を支援
神奈川県は2025年4月から、フリースクール等に通う子どもの保護者を経済的に支援する市町村に対して、県が補助を行う制度をスタートさせました。
東京都のように県が直接保護者に給付するのではありません。そのため、実際に制度を利用できるのは、お住まいの市町村がこの事業に参加している場合に限ります。
主な受給要件は以下の通りです。
- 神奈川県内の学校に在籍していること
- 登校が困難な状態にあること
- 月に1回以上フリースクール等に通所していること
現在どの市町村が参加しているかは、神奈川県のホームページで確認できます。なお、今後参加市町村が増える可能性もあります。 さらに、横須賀市では、就学援助費受給世帯を対象に、指定フリースクールを無料で利用できる制度も別途設けられています。
愛知県(名古屋市・大府市)|名古屋市で新制度がスタート
名古屋市では、2026年度から新たな支援制度の開始を予定しています。
| 対象 | 名古屋市立の小中学校・特別支援学校に在籍し、 民間のフリースクール等を利用する児童生徒の保護者 |
| 助成額 | ・就学援助の認定を受けている場合:上限月額22,000円 ・就学援助の認定を受けていない場合:上限月額11,000円 |
| その他 | ・入学費や施設整備費、教材費および交通費は対象外 ・土日祝日の日額利用料は対象外 |
また、愛知県大府市では、市立の小中学校に在籍しながら長期欠席またはその傾向がある児童生徒の保護者を対象に、費用の半額(月額最大2万円)を補助しています。なお、在籍校の学校長が出席扱いと認定しており、他の自治体から同種の補助を受けていないことが条件です。
長野県(諏訪市)|諏訪市フリースクール等利用児童生徒支援補助金
諏訪市では、補助金の申請日からさかのぼって1年以内に在籍している学校におおむね30日以上登校していない児童生徒の保護者を対象に月額利用料を補助しています。
上限は3万円で、入会費や入学費、交通費、教材費及び実習費は対象外です。また、「信州型フリースクール」として認証を受けたフリースクールに月1回以上通所する必要があります。
「信州型フリースクール」とは、不登校の児童生徒の多様な学びの場の確保・充実を図るため、県内のフリースクールなどの施設を認証し、財政支援を実施するものです。
滋賀県|手厚い補助制度が充実
滋賀県は市町村単位での独自制度が充実しているエリアです。
大津市では、次の全ての要件に当てはまる小中学生の保護者を対象に補助金を給付しています。
- 大津市内に在住していること
- フリースクールを利用する日の前1ヶ月以内に、在籍する学級での活動に7日以上参加していない
- 在籍校の校長からフリースクールの利用を学校への出席として認められていること
フリースクールを利用した月の利用料の半額を補助します(上限1万円)。ただし、入会金や体験活動の費用、交通費などは含まれません。
なお、補助金を受ける保護者、児童生徒は、教育支援センターの公認心理師との面談が受けられます。
また、草津市では、市が認定するフリースクールを利用する保護者を対象に、月額4万円を上限とした補助があります。
補助率は以下の通りです。
- 生活保護受給世帯:10割
- 就学援助受給世帯:4分の3
- それ以外の世帯:2分の1
さらに、守山市でも同様の助成制度を設けています。
兵庫県(姫路市・尼崎市)|費用の半額を補助
姫路市では、以下の補助金制度が受けられます。
| 対象 | ・市立の小中学校に在籍していること ・病気・経済的理由以外で年間30日以上欠席している不登校の児童生徒の保護者 |
| 助成額 | 費用の2分の1(月額上限1万円) |
| その他 | ・消費税及び地方消費税に相当する額は除く ・入会金や課外活動費、交通費などは対象外 |
また、尼崎市や明石市では、費用の2分の1(月額上限1万円)の補助制度があります。
助成金を申請するための一般的な流れ
フリースクールの助成金を受けるための流れは以下の通りです。
①在籍校に相談し、確認書を取得する
②利用予定のフリースクールに書類の記入を依頼する
③自治体の窓口に申請する
④審査を経て助成金が支給される
ただし、自治体によって細かい手順は異なるため、あらかじめホームページなどで確認しましょう。
①在籍校に相談し、確認書を取得する
まずは、お子さんが在籍している学校へ相談をしましょう。
多くの助成制度では、担任の先生や校長先生から「支援対象児童生徒確認書」や「フリースクール等利用確認書」の発行が申請の前提となります。
学校へ相談する際は、利用を検討しているフリースクール名や「出席扱い」の認定を希望する旨もあわせて伝えると、手続きが進めやすくなります。
担任の先生に話しにくい場合は、スクールカウンセラーや教育相談室を通じて相談してみましょう。また、担任だけでなく教育支援コーディネーターが窓口となっているケースもあります。
教育支援コーディネーターとは、不登校・発達障害・いじめなど、子どもの支援に関する校内外の連携をまとめる役割を担う教員です。
②利用予定のフリースクールに書類の記入を依頼する
学校側の確認書が準備できたら、利用予定のフリースクールが自治体の助成制度の対象施設として登録・認定されているかを確認しましょう。
助成制度によっては、活動内容・スタッフの配置・施設環境などの条件を満たした施設のみが対象となり、利用したいフリースクールが必ずしも対象とは限りません。フリースクールに問い合わせる際には、助成の対象施設かを直接確認しましょう。 対象施設であることが確認できたら、フリースクール側に以下の書類の作成・記入を依頼します。
- 支援対象施設証明書
- 利用料金の領収書または費用明細書
- 在籍証明書・出席記録
書類の種類は自治体ごとに異なるものの、フリースクール側は助成申請に慣れていることが多いため「申請に必要な書類を用意してほしい」と伝えればスムーズに対応してもらえます。
③自治体の窓口に申請する
書類がそろったら、自治体への申請をしましょう。教育委員会の教育支援課や子育て支援課・子ども未来局などが担当している場合が多くあります。
書類の提出方法は、郵送のみの場合や窓口持参のみ、オンライン申請も可能など自治体によって異なります。東京都はオンラインでの申請に対応しており、来庁の必要はありません。
④審査を経て助成金が支給される
申請書類を提出した後は、自治体による審査が行われます。通過すると「承認通知」が保護者宛に届き、助成金が指定口座に振り込まれます。
ただし、申請から支給までには1〜3ヶ月程度かかります。
フリースクールの利用開始と同時期に申請手続きを始めて、スムーズに受け取れるようにしましょう。
また、多くの制度では、利用料はいったん保護者が立て替えて支払い、後から助成金が戻ってきます。毎月の支払いが発生することを念頭に置いたうえで、家計の見通しを立てておきましょう。
なお、継続して助成を受けるには、毎月または四半期ごとに利用実績の報告が求められるケースもあります。「通所した日数」「支払った利用料」などを定期的に報告する手続きが発生するため、領収書や通所記録はこまめに保管しておくとよいでしょう。

お住まいの地域に制度がない場合の対応
助成制度がない場合は、日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン(教育一般貸付)」を活用し、家計の負担を軽減しましょう。
国の教育ローンでは、お子さん1人あたり350万円まで低金利で借り入れができます。
インターネットや郵送での申し込みが可能で、借入申込書や住民票の写しなどの書類が昼用です。
審査開始から10日ほどで審査結果の連絡がきます。融資を受けられる場合は、20日ほどで口座に一括入金されます。
なお、フリースクールの助成制度は、全国的に整備の流れが加速しており、今後新たに助成制度を設ける自治体もあるかもしれません。
まずは、利用を検討しているフリースクールに、助成金を利用した事例があるか尋ねてみましょう。
お住まいの市区町村の教育委員会や子育て支援課への確認もしてください。
まとめ
フリースクールの利用料に対する助成金は、国が一律に定めた制度は存在せず、都道府県・市区町村それぞれが独自に設けているものです。そのため、制度の有無や助成金額はお住まいの地域によって大きく異なります。
また、制度の整備は全国的に広がりを見せており、今後さらに対象地域が増えていくでしょう。 なお、この記事で紹介した情報は2026年3月時点のものです。助成金の金額・対象・要件は年度ごとに変更される可能性があります。最新情報は必ず各自治体の公式サイトまたは担当窓口にてご確認ください。
